KOETEの開発では、海外の現場で交わされる会話を振り返る機会があります。翻訳の価値が見えたのは、業務報告を受けた後の会話が、具体的な確認へと進んでいったときです。

誰に確認するのか。何を確かめたいのか。次の話し合いには誰が必要なのか。こうした細部まで、お互いの言葉でやり取りできていました。この具体性が、仕事を前に進めるうえで重要だと考えています。

英語に直す途中で短くなる話

KOETEの開発ミーティングで、実際のやり取りを振り返りました。それまでは英語のメールが中心で、送り手も受け手も翻訳を挟みながら意思を伝えていたケースです。

当時の話で印象に残ったのは、日本側の管理者も、相手側のスタッフも、説明したい内容を十分に英語で表現できるとは限らないことでした。現場側の語学力だけを見ても、問題の全体は見えません。日本側が受け取った英語を読み解き、意図を考え、返答をまた英語にする。その往復にも負担があります。

たとえば、「本人に連絡します」と「本人に事実関係を確認します」では、次にする仕事が違います。文章を短くする途中で確認の目的が抜けると、相手は何を準備すればよいか分からなくなります。

言いたいことがあっても、外国語にする手間を考えて短く済ませる。管理者も、細部を理解しきれないまま返事をする。こうした状態では、会話が成立しているように見えても、判断に必要な情報が足りない可能性があります。

次の質問が具体的になる

ミーティングで見た母国語によるやり取りでは、報告の受領だけで会話が終わらず、確認の進め方や参加者について話が続いていました。英語を介した以前のやり取りと比べ、確認の中身が具体的になっていたことが印象に残っています。

このやり取りを踏まえると、ツールを評価するときには、翻訳の自然さに加えて、その後の会話を見ることも大切です。

説明の後に、相手から具体的な質問が返ってくるか。管理者が聞きたいことを、遠慮せず最後まで聞けるか。話し合った結果として、次に確認する対象と担当者がそろうか。実際の仕事の中で、この変化を確かめたいと思います。

理解できたことを仕事で確かめる

言語が変わっても、確認を省いてよいわけではありません。数量や期限、作業場所などは、元の記録や写真も使って照合する。重要な指示なら、受け手が次に何をするかを自分の言葉で説明する。安全に関わる内容は、現場の責任者による確認が必要です。

厚生労働省も、外国人労働者の安全衛生教育に使える多言語の教材や、危険を視覚的に理解するためのイラストを公開しています。言葉と実物、文字と画像を組み合わせて理解を支えるという視点は、日々の業務連絡にも参考になります。厚生労働省の教材・資料

KOETEで母国語による会話を扱う意味は、これまで短くしていた説明や、飲み込んでいた質問を仕事の場に戻すことにあります。導入を試すなら、普段は何往復もしている業務報告を一つ選んでみる。そこで、確認の中身がどう変わるかを見る。翻訳の価値は、その先の会話に表れると考えています。

KOETEについて

母国語で伝えた内容が、次の確認や行動につながっているか。KOETEでは、翻訳の先にある業務のやり取りを大切にしています。機能や利用方法はKOETE公式サイトをご覧ください。

確認を具体的に残す

この記事は開発時に振り返った業務連絡の観察をもとにしています。翻訳精度や業務時間の改善を定量評価したものではありません。

記入用の想定例:担当者:__/確認事項:__/期限:__/原文との照合:__。受領と理解は別に確認します。

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