ある登録支援機関との商談は、いつもの機能説明から始まったわけではなかった。話が進むにつれて、担当者の口から、現場運用にまつわる悩みが次々とこぼれ出てきた。遠方の現場をどう把握するか、視察のときだけ様子が変わる現場をどう見抜くか、突然の解雇が訴訟に発展するリスク、通訳を挟むことへの不安、個人情報の扱い、そしてマイナー言語への対応――。

1つの悩みに答えるたびに、また次の悩みが出てくる。この記事では、その商談で相談された6つの課題を、それぞれKOETEでどう応えられるかとあわせて紹介する。

相談された6つの課題

まずは全体像から。担当者から出た悩みと、KOETEでの対応方針をまとめると、次のようになる。

課題KOETEでの対応
①遠方現場の実態把握日々のやり取りが記録として残るため、訪問しなくても状況を把握できる
②取り繕われた現場視察の日だけの様子ではなく、日報という日々の記録で実態を追える
③不当解雇訴訟のリスク指導書機能で、注意事項と本人の確認を証拠として記録できる
④通訳を挟む不安AIが直接翻訳するため、人を介さずに済む
⑤個人情報保護非公開のやり取りにAIは立ち入らず、ログは改ざん・削除できない設計
⑥マイナー言語・方言言語の追加自体は容易。ただし精度には限界があることを正直に伝える

ここから、それぞれの課題について、商談で語られた内容をもう少し詳しく見ていく。

①遠方の現場の実態が、訪問しないと分からない

商談の中で、別の会社の実例として、東北のある部品メーカーの話が出た。工場での外国人労働者とのコミュニケーションがうまくいかず、月に1〜2回、現地まで足を運んで面談しなければ状況をキャッチアップできなかったという。交通費もかかり、負担は決して小さくなかった。

KOETEを使えば、日々のやり取りが記録として残るため、わざわざ訪問しなくても状況を把握できる。また、現場の「班長」のような立場の人が情報を止めてしまっていたとしても、下の立場のスタッフが直接、担当者に報告できるようになる。情報が特定の1人を経由しないと届かない、という構造そのものを変えられる。

②「取り繕われた現場」を見抜けない

建設現場のような業界では、担当者が視察に行ったその日だけ、現場の管理者が普段と違う丁寧な態度を取り繕うことがある、という話も出た。

実際にあったエピソードとして語られたのは、こんな話だ。ある現場で、視察のときはにこやかに対応していた班長がいた。ところが、視察を終えて事務所に戻ってから、本人(外国人スタッフ)が書いた日報を見ると、普段はその班長が、視察時とはまったく逆の高圧的な態度を取っていたことが分かったという。

視察のときだけ見せる顔と、日々の現場での顔は、別物になりうる。

KOETEの日報機能があれば、視察に頼らず、日々の実態が記録として残る。「表面だけ取り繕う」問題を、視察という一瞬のスナップショットではなく、積み重なった記録で見抜きやすくなる。

③不当解雇を巡る高額訴訟のリスク

建設業などでは、「お前明日から来るな」といった感情的な解雇が起きやすい、という話もあった。その後、外国人労働者が弁護士から「不当解雇で訴えれば300万円くらい取れる」と持ちかけられ、突然辞めて訴訟に発展するケースがあるという。

担当者自身も、指を負傷した実習生が弁護士を紹介され、労災の話とは別に訴訟の動きがあった実例を経験しているとのことだった。こうした弁護士の存在は、外国人労働者同士のコミュニティ(LINEグループやFacebookなど)を通じて広まることもあるという。

KOETEの指導書機能を使えば、注意事項を複数回にわたって記録し、本人が母国語で内容を確認して「確認しました」を押すところまでを記録に残せる。これが後に訴訟になった場合の証拠(エビデンス)として機能し、企業側を守る材料になる。

▲ KOETEの指導書機能の例(イメージ)。「言った」だけでなく「本人が読んで確認した」ところまでが記録に残る。

④通訳を挟む不安

現場で通訳の人を頼むことがあるが、その通訳が本当に自分たちの伝えたい意図を正確に、本人の意思を介入させずに母国語に訳してくれているか、分からない不安があるという話も出た。

KOETEなら、AIが直接翻訳するため、人を介さずに済む。誰かの解釈や都合を経由せず、書いた内容がそのまま届く。

⑤個人情報保護・コンプライアンスへの懸念

本人が個人的な悩みを相談した内容が、外部に漏れて問題になることを懸念する声もあった。

これに対しては、KOETE側から次のような設計上の配慮を説明した。

  • 鍵をかけた部屋(DM・非公開グループ)には、AIも入っていかない
  • ログは改ざん・削除できない仕組みになっている
  • 大企業も使う水準のセキュリティを持つ、Googleのクラウド基盤を使っている

⑥マイナー言語・方言への対応

標準では13言語での提供だが、AIエンジンが認識できる言語であれば、追加すること自体は容易だ。実際に、この商談ではタガログ語の追加についても話が出た(現在は標準対応済み)。

ただし、正直に伝えたこともある。マイナー言語の中でも、インターネット上の学習データが少ない言語だと、細かいニュアンス(慣用的な言い回しなど)の翻訳精度には限界がある。できることとできないことを、その場ではっきり伝えた。

この話の流れで、方言の話題でも盛り上がる場面があった。東北弁と、インドネシアの島ごとの方言――場所が変われば、まったく違う言葉になるという点で、日本語とインドネシア語、それぞれの方言事情が重なり合う会話になった。

まとめ ─ 1つの魔法ではなく、1つずつの答え

この商談を振り返って言えるのは、1つの機能ですべての課題を解決するわけではないということだ。遠方現場の把握には日々のやり取りの記録が、取り繕われた現場には日報の積み重ねが、訴訟リスクには指導書と本人確認の記録が、それぞれ別の形で効いてくる。

登録支援機関が現場で抱える悩みは、1つではなく、いくつも重なっている。KOETEは、それぞれの悩みに、それぞれの機能で個別に応えられるように設計されている。

なお、KOETEはSaaS(クラウドサービス)として提供しており、現場ごとの個別カスタム開発は行っていない。既存の機能とテンプレートの範囲で、どの現場でも使える形になっている。また翻訳はあくまで日常の業務コミュニケーションを支援するものであり、契約書などの法的文書への利用は推奨していない。

なお、以前の記事では、この同じ商談相手から聞いた「担当者交代による属人化」というテーマを取り上げた(担当者が変わった瞬間に、顧客が離れる)。今回紹介した6つの課題は、それとは別に、日々の現場運用の中で語られたものだ。

KOETEという選択肢

今回の商談で話題になった課題に直結するのは、次の機能だ。

  • やり取りの記録:誰が・いつ・何を伝えたか、何を相談したかが記録として残り、訪問しなくても現場の状況を追える
  • 日報・改善提案:日々の実態が記録として積み上がり、視察という一瞬のスナップショットに頼らずに済む
  • 指導書機能:注意事項の記録と、本人が母国語で確認したところまでを証跡として残せる
  • AI翻訳(13言語対応):通訳という人を介さず、管理者は日本語で書くだけ、相手にはその人の母国語で届く

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